イ・ソジンさん,チョ・ジェヒョンさん,オ・ヨンスさん,ソン・ジヒョさんら主演の百済末期を舞台にしたドラマ.滅び行く百済に最後まで忠誠を尽くして戦死したスターのお話ですね.実際は歴史書などでは階伯は 5,000 名あまりの軍で 50,000 名の新羅・唐連合軍と戦って 4 度勝った後戦死した事しか記録されてないわけで,それをどうドラマとして描くかも見所だったわけですね.
ちょうど『善徳女王』,『ソドンヨ』を視終えた後なので,共通する登場人物ばかりで楽しく視られました.百済を滅ぼした時の新羅の王キム・チュンチュ,百済を滅ぼすキム・ユシン,アルチョン,『ソドンヨ』の主役武王,ソンファ姫… 違う役で同じ俳優さんが出てたり… 🙂
階伯のライバル,キム・ユシンは別として,それ以外は脇役になるので『善徳女王』と違って役者さんも落差があって面白いかったですね. :p
ドラマ自体は二部仕立てという感じで,前半は義慈王が王位に付くまでの闘争,後半は義慈王が王位に付いた後徐々に百済が崩壊していく所が描かれています.前半立ちはだかるのはオ・ヨンスさん演じるサテク王妃.ちょうど『善徳女王』のミシル的な存在ですが,ミシルよりはスケールが小さく,最後はあっさり引いてしまった感がありますね.それでもこの切り抜ける方法がないとも思える難関をどう切り抜けるのかが楽しみな韓国大河ドラマの楽しみは十分に発揮されていて面白く視ることができます.
後半は王位に付いた途端,王位を守るため,王より人気が出た階伯の排除を謀る様,百済が徐々に崩壊して行く様を描く,悲壮感溢れる話になっています.階伯がいくら名将でも,歴史までは変えられないので,最後は分かっているのですが,後半の悲壮感はたいていのものではなく,最後は分かってはいても展開はスリリングでした.
実際は義慈王はそんな暴君ではなかったようで,ドラマでは階伯の手柄になっている新羅軍に勝って 30 あまりの城を落としたのも義慈王だったわけで,階伯を持ち上げるために悪く描かれる王が少しかわいそうなくらいですね.ただ,実際に百済が滅ぶきっかけを作ったのも義慈王で,連戦連勝だったのが原因なのか酒色に溺れ,また新羅を追いつめたためか,唐との連合を成立させてしまい,一気に滅びたようですね.
前半の王位につく/つかせるまでの抗争も後半の悲壮感溢れる崩壊の様も楽しめる面白いドラマでしたよ.崩壊していく様,そこに渦巻く陰謀が中心となるような,ある意味すっきりしないストーリーがダメな人以外は楽しめると思います.