恋する泥棒 / 도둑놈, 도둑님

チ・ヒョヌさん、ソヒョン(少女時代)、キム・ジフンさん、イム・ジェウンさんら主演のドラマ。

「悪徳な大物に痛快な打撃を与える泥棒」みたいな宣伝を見て視始めたので、ホンギルドンのような義賊の気楽な話かと思いましたが異なりました。

幼少時代から権力者に虐げられ、ひどい目に遭ってきた主人公らが、成人して能力を活かして徐々に権力者に打撃を与え復讐をするという感じのドラマでした。

50話という長い話にもかかわらず、あらかじめ準備されていた仕込みが後々効いてくると言った所、脚本もかなり練られて書かれているように感じました。序盤の悲惨なまでに虐げられる部分が長く、なかなか本題に入らないところで視聴者の怒りを溜め込んでいくあたりもよく考えられていますね。

みんな成人しても所々痛快な感じはしますが、なかなかすべてが噛み合わないですっきりしないですね。登場人物それぞれが秘密を持っていて、それぞれどう行動するかわからないまま進行していく所もスリリングですし、それが少しずつ明らかになっていくあたりもスリリング。

出演者もそれぞれいい味を出していいて、暗くなりすぎず、腹立たしくなりすぎず、絶妙なバランスを取りながら話が進んでいき、最後のドーンとすっきりするあたりまで、とにかくずっと飽きさせずに話が進行して楽しいドラマでした。

自己発光オフィス / 자체발광 오피스

コ・アソンさん、ハ・ソクジンさんら主演のオフィスが舞台のドラマ。

ちょっと主演の顔ぶれが地味だなと思ったりもしますが、クォン・ヘヒョさんがいたりとなにげに豪華なメンバーもいます。

ドラマはちょっと不思議な感じで、就職やら仕事やらで色々と問題が起こり続けて、それなりに色々変化が起こるのですが、ドラマ全体としてはあまり何か変わった感じがせず、日々の仕事の状況が淡々と描かれていく風に感じます。

主演メンバーの恋愛も描かれますがもうひとつ盛り上がった感じがしないです。

面白くないのかというとそんなことはなくて、次回が視たくて仕方なくなる韓国ドラマに良くある雰囲気なのに、終わってみると「あれ?何が起こったんだ?」と思ってしまう、何か不思議な独特の雰囲気を持つドラマでした。

内省的なボス / 내성적인 보스

ヨン・ウジンさん、パク・ヘスさん主演のドラマ。このドラマはラブコメになるんだと思いますが、ラブコメとしては久々に個人的ヒットでした。

内省的で対人恐怖?とも思える主役というのも斬新でした。その設定からくる先の読めなさもスリリングでした。

パク・ヘスさんがちょっと場違い感あるのでは?という話も聞きましたが、ドラマ中の設定としてもちょっと場違いな感じな気がしたので、狙った場違い感かなと思ってました。

お父さんが変 / 아버지가 이상해

キム・ヨンチョルさん、キム・ヘスクさん、イ・ユリさん、リュ・スヨンさん、イ・ジュンさん、チョン・ソミンさんら出演の KBS2 の週末のドラマです。「お父さんが変」という変なタイトルですが、別にお父さんは全然「変」なところはありませんでしたよw

(WOWOW で放映が始まるにあたって「適齢期惑々(ワクワク)ロマンス〜お父さんが変!?〜」という変なタイトルになってますので注意)

このシリーズのドラマの感想ではいつも書いている気がしますが、とにかく予想を裏切るスピード感でどんどん話が展開していく、非常に面白いドラマでした。

いつも通り、ほぼ登場人物の家族だけですべてがまとまっている世間の狭さでした。中心はキム・ヨンチョルさん演じるピョン・ハンスの一家のお父さん、お母さんと 4 兄弟姉妹ですね。

前半は、リュ・スヨンさんとイ・ユリさんの駆け引きから始まり、これで引っ張るのかと思ったら、さっさとよりを戻して同棲と、拍子抜けするくらいあっさりまとまりますが、これはスタートでしかありませんでした。このカップルは後半も同居問題でちょっとお笑いを交えた感じで盛り上がります。

前半のもう一組の盛り上がりは長男とその彼女カップルですね。そしてそのカップルと次女が高校時代の同級生(そして会社でも同僚)というこれまた世間の狭さ。この元同級生のふたりもそれなりに引きずりながら最後の方まで問題が続きますね。

ただ、この辺りはあとで考えると、後半の盛り上がりの前の軽いジャブ的な展開でしたね。イ・ジュンさん演じるアン・ジュンヒが、大根役者っぷりを改善するために、本当のお父さんを探して、4兄弟姉妹の家にやってくるあたりから徐々に盛り上がり始めますね。その後、ちょっと簡単に変わりすぎじゃない?とツッコミ入れたくならなくもないですが、アン・ジュンヒの演技力が向上し、家族との仲も良くなっていき、ちょっと一服したあとに徐々にツラく深刻な展開になっていき、30後半〜45話あたりまではもう息もつかせぬ展開で、録りだめた録画を一気に消化してしまいました。

ここで一服の清涼剤的な役割を果たしたのが、末っ子のファヨン(元T-ARA)演じるラヨンとアン・ヒョソブさん演じるチョルスの恋愛でしたね。チョルス父とのやり取りも思わず笑ってしまうもので、深刻な話が深刻すぎることがないようにうまく挿入されていました。

視聴率を見る限りはこの時間帯のドラマにしてはそれほどでもない気がしますが、個人的には「棚ぼたのあなた」と並んだんじゃ?と思えるドラマだったと思います(世間的な評価はそうでもなかったのかな?)。前作の「月桂樹洋服店の紳士たち」も面白かったですが、それとはちょっとベクトルの違う面白さだったと思います。

確かに登場人物の兄弟まんべんなく盛り上がるというよりは、特定のカップルとお父さんお母さんだけが盛り上がった気もするので、そういう面が視聴率にあらわれているのかな?終わってみるとドラマの面白さ、スリリングさが後半の盛り上がりに依存してる感じもするので、その辺りなんですかね。(調べるとこの後始まったドラマ(黄金色の私の人生)の方が視聴率は良さそう)

まあ、いずれにせよ、すべてまとまった後のアン・ジュンヒ(イ・ジュンさん)とミヨン(チョン・ソミンさん)カップルの表情を見てると、ほっとして「ああ面白いドラマだった」と思えるものでしたよ(途中の最初のキスシーンとかありえない展開でしたけどw)。

最近になってこのカップルは微笑ましいニュースが飛び込んできていますね。